コレラCholera

 コレラは世界に広く分布する細菌性の感染症です。2002年には、コンゴ民主共和国、マラウイ、ソマリア、モザンビークなどの国でコレラの大きな流行があり、特にマラウイで2001年10月から始まった流行で、2002年3月までに 609名の死亡患者を含むコレラ患者22,023名が発生しました。2001年には、南アフリカインド、アフガニスタン、チャド、コートジボワールなどの国でコレラの大きな流行がありました。

 コレラ菌は、1960年頃まで流行したコレラ菌と現在流行しているものとは性質が多少異なり、かつてのコレラ菌はクラシカルコレラ(アジア型コレラ或いは古典型コレラとも言う)と呼ばれ、コレラパンデミーと言われる大流行を幾度となく繰返し、その病原性の強さ(死亡率20%)によって何百万もの人が犠牲になりました。

 現在のコレラはエルトールコレラと呼ばれるもので、1961 年頃からアジア地域で発生し、感染力が強いためにクラシカルコレラに替わって瞬く間に世界中に広がりました。幸いなことにクラシカルコレラに比べ病原性が弱く、死亡率も2%程度といわれています。栄養状態の良い日本人の場合は胃腸の弱い人、老人、乳幼児を除けば死亡することはほとんどありませんが、感染力は強いため油断はできません。

病原体
 ビブリオ(Vibrio)属と呼ばれる腸内細菌で Vibrio cholerae O1 と呼ばれていますが、コレラエンテロトキシン(CT)と言う毒素を産生するものをコレラ菌とし、CTを産生しないものはコレラ菌とは言わず、食中毒菌として取り扱います。

2感染様式
 コレラ菌に汚染された水・氷・食品などを摂取することにより感染します。

3症状
 1〜5日、通常1〜3日の潜伏期間の後、下痢や嘔吐などが起こります。クラシカルコレラでは米のとぎ汁様の水様便と表現されていましたが、現在流行しているエルトールコレラでは、これを見ることは極めてまれで、症状は比較的軽く、軟便程度から水様便まで幅広い下痢が主です。嘔吐を伴うこともありますが、腹痛や発熱を伴うことはほとんどありません。
http://www.forth.go.jp/tourist/kansen/01_chol.html

:行為
:社会現象


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Last-modified: 2005-02-26 (土) 12:59:17