自由は回復されざらん
   腹黒く、卑しく、慢心せる者が自由を占有せん
   海の物質がヒステルにより操作される時
   ヴエネツィア共和国は困惑せん

 第五巻第二十九番の詩であるが、この詩はかなり難解である。しかし学者の解釈によると、これはヒットラーヨーロッパを制圧していた頃の状況を暗示しているという。「腹黒く、卑しく、慢心せる者」とは、もちろん独裁者ヒットラーのことであり、ヒステルHisterというのも、Hitlerという文字の綴り変えだという。「海の物質が操作される」というのは、首をひねらざるを得ないが、何のことはない、これはドイツの潜水艦作戦を意味しているのだった。そして「ヴェネツィア共和国」は、昔の海上王国だから、海に囲まれた大英帝国を意味していたのである。デーニッツ提督のUボート作戦によって、イギリスは大いに悩まされるというわけである。


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Last-modified: 2008-03-21 (金) 00:03:38